大粒で中心部に心白があり、たんぱく質や雑味の少ない酒造専用に栽培された富山の五百万石の玄米を、60%まで精米し、普段食べているよりお米よりも白く磨きあげます。
洗米し、裏の阿南神社から湧き出ている黒岳の伏流水を十分吸わせてから、蒸器で蒸します。なるべく雑菌が入らないよう、空気の澄んだ夜明け前、まだ暗い早朝から蒸しはじめます。
麹室で蒸した米に種麹をかけ、麹菌を増やします。麹室は米の蒸気で気温と湿度が上がり、真冬の作業ですが、杜氏たちは真夏のような格好で作業をしています。
酒母タンクでもろみを発酵させる強い酵母を培養します。
もろみタンクで約15℃、20〜25日間、麹による糖化と酵母によるアルコール発酵をさせます。お酒の味は、ここで決まるといいほど、重要な工程です。低い温度でじわじわと発酵させるため、気温や湿度に左右されるとても繊細な作業。杜氏たちは交代で泊まりこみ、一晩中発酵を見守ります。
もろみを麻布に入れ、酒槽(さけふね)と呼ばれる圧搾機に積み、酒と酒粕に分けます。麻生酒造では先祖代々の酒槽を使い、機会の力で無理やり酒を搾り取るのではなく、自然に流れ出るのを待ちます。手間ひまがかかり効率的ではありませんが、これが麻生酒造に代々受け継がれる酒の搾り方です。この手間を省いて「おいしいお酒」は作れないと信じています。しかしこれは、小さな酒蔵の少量生産だからこそ、できることかもしれません。
最後に、麻布の中には酒粕が残ります。
オリなどをろ過してきれいにします。
60〜70℃に加熱して殺菌し酵母の働きを止め、品質を安定させます。お酒が夏を越す準備をする作業といってもいいかもしれません。
アルコール分20%前後で、タンクの中に一定期間貯蔵します。
同時に火入れ殺菌を行い、ラベルを貼って製品になります。このときは、子供が巣立っていくような気持ちになります。
